強引な年下イケメンに溺愛されて恋がはじまりました。
私ってそんなことも知らないんだ。


「おい、あの子2年生だろ。超可愛いじゃん」


「お前知らないのかよ。保健室の天使だぜ」


「俺、声かけよっかな」


「むりむり、お前じゃ相手にしてもらえないって。吉野と付き合ってるらしいぜ」


「くそー、美男美女カップルかよ」


私のほうを見てひそひそ話している男子たちがいたから気後れしてしまう。


もう、自分のクラスに戻りたかったけどそんなわけにもいかないのでグッと我慢した。


ああ、自分とは違う学年のフィールドに足を踏み入れるだけでもこんなに大変なんだ。


吉野くんはしょっちゅう2年の教室や廊下に来ていたけど平気そうにしていたっけ。


だけど、上級生のクラスに来ることのほうが今の私よりも勇気がいったはず。


もしかしたら、私に会うために頑張ってくれていたのかな。


そう思ったら、少しだけ力がわいてきた。
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