強引な年下イケメンに溺愛されて恋がはじまりました。
「あ、あのすみません」


誰でもいいからそのへんの人に尋ねようと思った。


「吉野くんのクラスがどこかわかりますか?吉野廉くんです」


「さあ、知りませんけど」


一人目に声をかけたのは女子生徒だったんだけど、一瞬嫌そうな顔をしてそっけなく答えるとすぐに立ち去ってしまった。


仕方がなくほかの女子生徒にも聞いてみたけれど同じ反応をされた。


挫けそうになったけど、今度は男子に声をかけてみようと思った。


「あ、すっ、すみません。吉野廉くんのクラスをご存じですか?」


緊張しながら男子生徒に話しかけると今度はさっきよりもいい反応が返ってきた。


「俺知ってますよ。1組の特進科です。ご案内します」


ニコッと笑った彼は親切そうな男子生徒。


制服の着こなしや髪型からしてちょっぴりチャラそうに見えた。


「さあ、こちらです」


「え、あの……」
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