強引な年下イケメンに溺愛されて恋がはじまりました。
なぜか手を握られて引っ張られてしまったからびっくり。


あれ、なんで手までつなぐんだろう。一人で大丈夫なんだけど。


振り払うこともできず黙ってついていく。


「俺、門田(かどた)って言います。1組で吉野のダチっす」


「そ、そうなんですか」


「お姉さん、すごく綺麗ですね。俺めっちゃタイプっす」


「はあ」


吉野くんの友達だと言う門田くんはなんだか軽そう。


やはり類は友を呼ぶのかな。


笑っちゃいけないけどちょっと頬が緩んだ。


「はあ、ほんとにお姉さん美人っすね」


彼はため息まじりにそう言ってじっと私を見つめてきた。


「そんなことないです」


慌てて否定した。


話しながら歩いていたら1年1組の教室の中に自然と足を踏み入れていた。


あ、そろそろ手を離してもらおう。


そう思った瞬間、吉野くんの姿が目に飛び込んできた。
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