麻衣ロード、そのイカレた軌跡/補完エピソーズ集
ゴールドシートを独占した少女/その3
ケイコ
「ケイちゃんには言うまでもないことなんだろうけど、紅丸さんの行動は極めて緻密な読みがあってのことなんだよな。常に‥」
あらら…
また難しい話になってきたぞ
「…今回のメッセンジャーをケイちゃんに頼んだのだって、十分すぎるくらいの適用要件をクリアしてると読んだ上でのことさ」
「亜咲さん、私にはちょっと難しそうだよ」
「ハハハ…、全然簡単だって。まずケイちゃん自身さ。裏表があるって見られる子じゃあ、そもそもNGだよ。その点、アンタはその対極の超ピュアな訳で、しかもそれは万人が認めてる」
いやー、ちょっとおおげさだよ、亜咲さん…(苦笑)
...
「次は既成事実だよ。世間話として周りの目に映る必然性ってことだけど、これは紅丸さん、私双方ともってことが必要要件になるよね。まず、紅丸さんとはケイちゃんが小学生のころ、地元新聞にまで載った例のいきさつ(=ひったくり犯御用の大手柄)がかなり浸透してるし、紅組の集会でも部外者の常連さんだってことは広く周知されてるから、全然クリアだよね。じゃあ、私とはってことになるよ…」
私の部屋の壁に背をもたれていた亜咲さんは、ここでちょっと前かがみになった
「…まあ、現実に子供ん時からこうしてお隣さん同士なんだから、アンタと私が親しいのはなんの不思議もない。でも、その周知の度合いとなると、紅丸さんに比べて明らかに低いよ。それだけなら南玉の関係者だって知らない人が多くて当然だ」
私はフンフンと頷いていた
...
「…でも、ケイちゃんとの親密度は、実際のところ、今は紅丸さんとの関係以上に認知されてるんだ。間違いなく。それを紅丸さんは正確に把握してるんだろう」
「ええと…、今亜咲さんはさっき、”それだけなら…”って言ったよね。じゃあ、他にあるということかな…。亜咲さんと私が親密なのが周りに浸透した材料みたいなのが…」
「ああ、そういうこと。今現在、ケイちゃんと私がお隣同士で、義理の姉妹並みに親しいってことは、南玉以外にだって広く知れ渡ってるよ。はは…、カンのいいケイちゃんなら、それ何でかは、もうわかるんじゃないか?」
「えー?なんでかな…」
亜咲さんはニヤニヤしながら立ちあがったわ
そんで、亜咲さんち側の窓まで歩いて行って、首を窓の外まで伸ばしてる…
ああ、丁度視線の下はバイクが止めてある自分んちの庭のあたりだよね
ん…?
そうか、わかったぞ!
ケイコ
「ケイちゃんには言うまでもないことなんだろうけど、紅丸さんの行動は極めて緻密な読みがあってのことなんだよな。常に‥」
あらら…
また難しい話になってきたぞ
「…今回のメッセンジャーをケイちゃんに頼んだのだって、十分すぎるくらいの適用要件をクリアしてると読んだ上でのことさ」
「亜咲さん、私にはちょっと難しそうだよ」
「ハハハ…、全然簡単だって。まずケイちゃん自身さ。裏表があるって見られる子じゃあ、そもそもNGだよ。その点、アンタはその対極の超ピュアな訳で、しかもそれは万人が認めてる」
いやー、ちょっとおおげさだよ、亜咲さん…(苦笑)
...
「次は既成事実だよ。世間話として周りの目に映る必然性ってことだけど、これは紅丸さん、私双方ともってことが必要要件になるよね。まず、紅丸さんとはケイちゃんが小学生のころ、地元新聞にまで載った例のいきさつ(=ひったくり犯御用の大手柄)がかなり浸透してるし、紅組の集会でも部外者の常連さんだってことは広く周知されてるから、全然クリアだよね。じゃあ、私とはってことになるよ…」
私の部屋の壁に背をもたれていた亜咲さんは、ここでちょっと前かがみになった
「…まあ、現実に子供ん時からこうしてお隣さん同士なんだから、アンタと私が親しいのはなんの不思議もない。でも、その周知の度合いとなると、紅丸さんに比べて明らかに低いよ。それだけなら南玉の関係者だって知らない人が多くて当然だ」
私はフンフンと頷いていた
...
「…でも、ケイちゃんとの親密度は、実際のところ、今は紅丸さんとの関係以上に認知されてるんだ。間違いなく。それを紅丸さんは正確に把握してるんだろう」
「ええと…、今亜咲さんはさっき、”それだけなら…”って言ったよね。じゃあ、他にあるということかな…。亜咲さんと私が親密なのが周りに浸透した材料みたいなのが…」
「ああ、そういうこと。今現在、ケイちゃんと私がお隣同士で、義理の姉妹並みに親しいってことは、南玉以外にだって広く知れ渡ってるよ。はは…、カンのいいケイちゃんなら、それ何でかは、もうわかるんじゃないか?」
「えー?なんでかな…」
亜咲さんはニヤニヤしながら立ちあがったわ
そんで、亜咲さんち側の窓まで歩いて行って、首を窓の外まで伸ばしてる…
ああ、丁度視線の下はバイクが止めてある自分んちの庭のあたりだよね
ん…?
そうか、わかったぞ!