麻衣ロード、そのイカレた軌跡/補完エピソーズ集
始まりの予感/その4
亜咲
「私、母親の病院代あるから助かるんだけど、それ目当てって浅ましいよな」
私は、あえてストレートにケイちゃんに問いかけた
両親は私が小学校を卒業した直後に離婚して、父さんは家を出た
母さんは難病で、長いこと入院してる
それらの事情を、”お隣さん”のケイちゃんはすべて承知してる
「それさー、割切っていいんじゃないかな。亜咲さんのテクを高く買ってくれるんだから」
ケイちゃんは相変わらず、屈託がないや
小さい頃から、こいつには時々「目から鱗」ってのを喰らってる(笑)
「亜咲さんがいれば、向こうも一目置くし。頼む方はそれ目的もあるんじゃないの」だって
まっすぐなんだけど、結構深いところも見据えてるんだよな
性格はさっぱりしてて、粋だ
紅丸さんに気に入られるのもわかるよ
まあ、砂垣グループが侵攻してくるのは間違いないし
そうしたら、下の子が苦労するのは目に見えてるよな
やっぱり、”排赤派”の奴らには思うままにさせたくない
ここは、私が当面の歯止めになれば、今後の見通しも立つかもだ
亜咲
「私、母親の病院代あるから助かるんだけど、それ目当てって浅ましいよな」
私は、あえてストレートにケイちゃんに問いかけた
両親は私が小学校を卒業した直後に離婚して、父さんは家を出た
母さんは難病で、長いこと入院してる
それらの事情を、”お隣さん”のケイちゃんはすべて承知してる
「それさー、割切っていいんじゃないかな。亜咲さんのテクを高く買ってくれるんだから」
ケイちゃんは相変わらず、屈託がないや
小さい頃から、こいつには時々「目から鱗」ってのを喰らってる(笑)
「亜咲さんがいれば、向こうも一目置くし。頼む方はそれ目的もあるんじゃないの」だって
まっすぐなんだけど、結構深いところも見据えてるんだよな
性格はさっぱりしてて、粋だ
紅丸さんに気に入られるのもわかるよ
まあ、砂垣グループが侵攻してくるのは間違いないし
そうしたら、下の子が苦労するのは目に見えてるよな
やっぱり、”排赤派”の奴らには思うままにさせたくない
ここは、私が当面の歯止めになれば、今後の見通しも立つかもだ