麻衣ロード、そのイカレた軌跡/補完エピソーズ集
その12
ケイコ



少しの間があって、R子から”返事”が返ってきた

「ふふっ…、あなたとはクラス一緒の時も、さほど付き合いなかったしね。そりゃ、不自然に思うわよね」

彼女の口調は明るかった

で、やや早口で続けたわ

「でも、宗教の誘いとかでもないから安心して。あのね…、人と会って欲しいのよ。同じ高校の先輩で、短距離走ってる人なんだけどね…。今、最新整備のグランド走ってるんでしょ?あなた…」

ほー、そういう系の話ってことか

とりあえず安心したわ(苦笑)


...



要は、その先輩も黒沼のグランドを走りたいと…

私らに交じって、一緒できないかということらしい

まあ、あのグランドはみんな踏みたがってるもんな

「…あなたが選抜駅伝で取りまとめた合同練習の件、私の高校でも評判になってるのよ。それでね…。ちょうど数日前、絵美に駅でバッタリ会ってさ。あなたのこと尋ねたら、もう退院したはずだからって聞いたもんで。電話してみたらって言ってくれてね。でも、今日バス停の近くで見かけたもんで、声かけちゃったの。はは…」

そうか…、絵美と会った時にね…

「だけどさ、自分の学校じゃないし、私が勝手に決められないよ。今でも黒沼高校の生徒は外部の人間が校庭走ってるの、よく思ってないようだしね。難しいと思う。悪いけど…」

「いいのよ、話を聞いてくれるだけで。その人、駅伝の会場にはいたらしくて、あなたには感心していたし。会いたがってるのよ。ああ、女性だから心配しないでいいわよ。ははは…。私からも難しいみたいだから、期待しないでとは言っとくから」

「うん…、じゃあ会うだけはね。で、この辺になるの?場所とかは…」

「ええ。とにかく、ありがとう。正確な時間とか場所は、また連絡するわ。。ああ、遅くで家の人にも申し訳ないわね。ホント、今日は急にごめんね。じゃあ、おやすみ…」

R子は時間が遅いということで恐縮しているせいか、慌ただしく電話を切った

まあ、会うだけならね

同じ走りのアスリート仲間ってことだし…

はー、疲れた…

さー、寝るぞ!





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