麻衣ロード、そのイカレた軌跡/補完エピソーズ集
その2
ケイコ
「鷹美…、滝が丘の大型新人が面会だってさ」
「ああ、先輩‥、すいません。ちょうど、お茶入れてたところなんで、その子と一緒に中へどうぞ」
「そうかい?じゃあ、少しだけ…」
という訳で、4人は5分ほど、ここでお茶することとなった…
...
「…横田さん、悪かったわね。先輩たちに付き合わせちゃって」
「いえ。見た目は何ともですが、結構、気さくな先輩ですね。最初は怖かったんですけど(苦笑)…」
「ハハハ…、あなたはどこまで懐が深いわけ?ああいった年長の中へヒューっと入っていけて…。”目星のつけ方”も、ただ者じゃないわね…。ああ…、とにかく、よく来てくれたわ」
「はい…。今日は、この前の件でお話しさせてもらいたくて…」
「そう。じゃあ、伺いましょう…」
...
「あの後、多美から色々と話を聞きました。それで…、先輩のこと、少々誤解していたので、その点についてはお詫びしたいんです。まずは…」
私は椅子から立ち、「先日は失礼な態度とって、すいませんでした」と言って、頭を下げた
「そんな…、あらたまらなくったっていいよ。さあ、座ってちょうだい」
私は椅子に腰を下ろしてから話を続けた
「先輩…、その上で、二つなんです。ひとつは、私、今の南玉連合って、どうしても抵抗があるんです。この前と同じですいませんが…」
「うん、いいわ。で…、もう一つは何?」
「本郷麻衣のことです。ヤツの”これから”によっては、私、看過しませんので。それ、南玉連合の幹部である先輩には、事前にお伝えしておきたいんです」
「看過できないとは、要は、本郷の所業次第では、あの子とぶつかることもアリってことなの?」
「はい、そう理解してもらって結構です。でも、それやる時は、南玉とは関係なしです。別なんで…、私にとっては。仮にそういう事態に至っても、南玉にはそのこと、承知してもらってる立場でやりたいんです…」
「…」
「私は紅子さんを通じて、荒子さんについては中学に上がる前から周知しています。というか、あの人のことは”最初”からです」
そう…、私はまさに”ここまで”の荒子さんの”概ね”を、リアルタイムでキャッチできるスタンスにいたんだよね、偶然ながら
まあ、その時分の私、コテコテの”子供”だったけど…(苦笑)
「…今回、荒子さんが南玉のトップに就いて、私は正直、とても関心があるんです。そして、その荒子さんと共に歩もうとされてる矢吹先輩って、凄い。それが偽らざる気持ちです。だから…、本当は先輩の力にはなりたいって思いはあるんです。言ってること矛盾してて、すいませんが…」
「横田さん…、あなたって人はますますいいわ。紅丸さんの精神を本当の意味で体現してるのは横田さん、あなただわ。それでいいのよ…」
矢吹先輩は優しい目でそう言ってくれた
...
「…じゃあ、この件はこれで終わりにしましょう。それで、違う話になるけど、いい?」
「はい…」
「多美にもそれとなく話したんだけど、私はあなたとテツヤの二人をとても心配してる。実はここ数日、テツヤと”周辺”の女の子たちの様子が気になってて…。くれぐれも気を付けてほしいの。何があっても、二人でしっかり乗り越えてもらいたい。漠然としか言えなくて、もどかしいんだけど…」
矢吹先輩からは、切迫した空気が伝わってきた
「…あなたのピュアなところ、こういう状況だと、むしろマイナスになるかも知れないから…。考えすぎかもって気持ちもあるけどね」
部室を出る間際、先輩は少し笑いながらこう言ってくれた
先輩の言わんとしているところは、何となくしかわからない
でも、この言葉…、しっかりと受け止めなきゃな、私
ケイコ
「鷹美…、滝が丘の大型新人が面会だってさ」
「ああ、先輩‥、すいません。ちょうど、お茶入れてたところなんで、その子と一緒に中へどうぞ」
「そうかい?じゃあ、少しだけ…」
という訳で、4人は5分ほど、ここでお茶することとなった…
...
「…横田さん、悪かったわね。先輩たちに付き合わせちゃって」
「いえ。見た目は何ともですが、結構、気さくな先輩ですね。最初は怖かったんですけど(苦笑)…」
「ハハハ…、あなたはどこまで懐が深いわけ?ああいった年長の中へヒューっと入っていけて…。”目星のつけ方”も、ただ者じゃないわね…。ああ…、とにかく、よく来てくれたわ」
「はい…。今日は、この前の件でお話しさせてもらいたくて…」
「そう。じゃあ、伺いましょう…」
...
「あの後、多美から色々と話を聞きました。それで…、先輩のこと、少々誤解していたので、その点についてはお詫びしたいんです。まずは…」
私は椅子から立ち、「先日は失礼な態度とって、すいませんでした」と言って、頭を下げた
「そんな…、あらたまらなくったっていいよ。さあ、座ってちょうだい」
私は椅子に腰を下ろしてから話を続けた
「先輩…、その上で、二つなんです。ひとつは、私、今の南玉連合って、どうしても抵抗があるんです。この前と同じですいませんが…」
「うん、いいわ。で…、もう一つは何?」
「本郷麻衣のことです。ヤツの”これから”によっては、私、看過しませんので。それ、南玉連合の幹部である先輩には、事前にお伝えしておきたいんです」
「看過できないとは、要は、本郷の所業次第では、あの子とぶつかることもアリってことなの?」
「はい、そう理解してもらって結構です。でも、それやる時は、南玉とは関係なしです。別なんで…、私にとっては。仮にそういう事態に至っても、南玉にはそのこと、承知してもらってる立場でやりたいんです…」
「…」
「私は紅子さんを通じて、荒子さんについては中学に上がる前から周知しています。というか、あの人のことは”最初”からです」
そう…、私はまさに”ここまで”の荒子さんの”概ね”を、リアルタイムでキャッチできるスタンスにいたんだよね、偶然ながら
まあ、その時分の私、コテコテの”子供”だったけど…(苦笑)
「…今回、荒子さんが南玉のトップに就いて、私は正直、とても関心があるんです。そして、その荒子さんと共に歩もうとされてる矢吹先輩って、凄い。それが偽らざる気持ちです。だから…、本当は先輩の力にはなりたいって思いはあるんです。言ってること矛盾してて、すいませんが…」
「横田さん…、あなたって人はますますいいわ。紅丸さんの精神を本当の意味で体現してるのは横田さん、あなただわ。それでいいのよ…」
矢吹先輩は優しい目でそう言ってくれた
...
「…じゃあ、この件はこれで終わりにしましょう。それで、違う話になるけど、いい?」
「はい…」
「多美にもそれとなく話したんだけど、私はあなたとテツヤの二人をとても心配してる。実はここ数日、テツヤと”周辺”の女の子たちの様子が気になってて…。くれぐれも気を付けてほしいの。何があっても、二人でしっかり乗り越えてもらいたい。漠然としか言えなくて、もどかしいんだけど…」
矢吹先輩からは、切迫した空気が伝わってきた
「…あなたのピュアなところ、こういう状況だと、むしろマイナスになるかも知れないから…。考えすぎかもって気持ちもあるけどね」
部室を出る間際、先輩は少し笑いながらこう言ってくれた
先輩の言わんとしているところは、何となくしかわからない
でも、この言葉…、しっかりと受け止めなきゃな、私