あくまくんが愛してやまない。
幻聴じゃない。
もちろん、阿久間くんはまじめな顔をして言っている。
適当に言ってるわけではないようだ。
じゃあ、なんで?
あたふたと考えるけれど。
ひとつの考えが脳内を支配する。
ありえない、だけど。
お付き合いを申し込まれ(?)ているこの状況ならば、ありえるかもしれない。
ぱあっと表情を明るくさせたわたしに、阿久間くんはぎょっとする。
「も、もしかして阿久間くんもわたしのこと好……っ」
「いやそういうことじゃないけど」
返答が早い!
この言葉を予測していたかのような早さだった。
悲しくも両想いではなかったようで、儚くわたしの希望は散る。
がっくりと肩を落とすけれど、いまだに疑問は残る。