あくまくんが愛してやまない。
あくまくんの本音 【SIDE 恭平】
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「恭平、それ俺のミルクティーなんだけど」
パックのミルクティーを飲んでいると、加世にだるそうに声をかけられ、はっとする。
我に返って手元にあるそれを見ると、さっき自分が買ったいちごみるくじゃないことに気づいた。
「あー……ごめん。間違えた」
「いいよ、それやるよ。恭平と間接キスなんか柄でもない」
はあっと大きくため息をついた加世は、ちらりと俺を見た。
キス、という単語に脳を侵食されつつある俺に、加世が幽霊でも見るような視線を送ってくるから、嫌でも口を開く羽目になる。
「……なに」
「いや、恭平がそんなにぼーっとしてるのレアだなって話」