あくまくんが愛してやまない。




初デートの場所に選ばれたのは、近くのテーマパーク。


午後からその最寄り駅で待ち合わせをして、ふたりで思う存分楽しむ予定だ。


すでに人がたくさんいて混んでいるため、下手をしたら恭平くんとはぐれてしまう。


その意味を込めてか、ずっとわたしの手を繋いで離さない彼が愛おしくて胸がキュンとした。



なにを最初に乗ろうかと相談中、彼はわたしに首を傾げて尋ねてくる。



「みゆうちゃんって、ジェットコースター乗れるっけ?」


「ぜんぜん余裕だよ! 絶叫系なら何十回でも乗れる!!」



「……俺苦手だから、やなんだけど」


「えっ……?!」



「…………わかったって。そんな悲しそうな顔されたらがんばって乗るしかないじゃん」




はあ、と小さくため息をついた彼に、わたしの目は輝く。








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