あくまくんが愛してやまない。
……苦手なのに、乗ってくれるんだ。
しかも、絶叫系乗れないってことは、恭平くんの唯一の弱点かもしれない。
それを知れたことに嬉しくなって、頬が緩む。
……恭平くん、絶叫系苦手だなんて可愛いなあ。
待ち時間は恭平くんとあっち向いてホイをしていたり、しりとりをしたりした。
ちなみに、あっち向いてホイはわたしが激弱で、彼に何度も爆笑された。
小学生みたいな遊びも、付き合ってくれる彼はなかなかめずらしいと思う。
わたしといるときはぜんぜんスマホを触らない恭平くん。
そういうささいなところが、女の子の理想の彼氏像を形作っている気がした。
乗り物を待っているあいだも、近くにいる女の人たちが恭平くんを見ては顔を赤くしていて。
そんなことにヤキモキしちゃう心の狭いわたしは、少しだけ不機嫌になる。