あくまくんが愛してやまない。
それなのに恭平くんはぜんぶわかったように、行き道でコンビニで買ったらしいマーブルチョコをわたしにくれる。
「ん。これいる?」
「……恭平くんって、なんでそんなに完璧なの?」
ありがたくもらいながら、優しい甘さに心が温まる。
遊園地の待ち時間も、なんでこんなに楽しくさせてくれるんだろう。
どこをとっても彼女想いの行動に、ずっと驚かされている。
わたしの問いにきょとんとした様子の恭平くんだったけれど、すぐに笑って教えてくれた。
「あー、俺ね、年の離れた姉がいるからその影響あるかも」
「お姉さん?」
そんな話は聞いていなくて驚いた。
「そ。俺が小学生のときからずっと、姉に彼氏の不満を散々聞かされてきたから、どうやったら女の子が喜んでくれるか、だいたいわかるんだよね」
「そうだったんだ……」