あくまくんが愛してやまない。
まあそんなこと言ったって、恭平くんのことだから、からかってくるんだろうけれど。
無理して乗ってくれた彼にお礼を言いつつ、いっしょに自販機まで歩いていく。
あたりまえのように、いちごみるくのボタンを押して、わたしにそれをくれる恭平くんの行動は抜かりない。
今日何度も感動しているけれど、帰る頃には、わたしはキュン死していないだろうか……と、かなり本気で悩んでいる。
「ねーね、みゆうちゃん」
すでに回復しつつある恭平くんは、なにやら不敵な笑みを浮かべてわたしを見た。
「どーしたの……?」
「あれ、行こーよ」
彼がそう指差さしたのは、おどろおどろしい雰囲気のお化け屋敷。
“ 最恐絶叫ホラーハウス! ”
そのキャッチフレーズを目にした瞬間、どっと嫌な冷や汗をかいた。