あくまくんが愛してやまない。
今日も今日とて、図書委員のエミを見送ってから屋上に行く。
エミは最初こそ恭平くんを疑っていたけれど、幸せそうにしているわたしを見てか、彼女も応援してくれている。
今日はいちごみるくとクリームパンを持って、ルンルンで廊下を通り、屋上の扉を開けた。
「恭平くんっ、……と、あれ?」
だいたいいつも先にいる恭平くんに声をかけたけれど。
その横に、茶髪の男の子がいるのが目に入る。
あれ、もしかして……!
瞬時に状況を理解し、慌てて駆け寄る。
「え、……は、長谷川くんですよね……?!」
目をキラキラさせて問うわたしに、長谷川くんは驚いたようにうなずいた。
「え……、俺のこと知ってるの?」