あくまくんが愛してやまない。
あくまくん逃げましょう
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「でね、でね、恭平くんがね……」
「ストップ。わたしはいつまであんたの惚気に付き合えばいいわけ?」
「え、いつまでも♡」
「うん。朝から一生聞かされてる独り身の気持ちにもなってほしいわ」
えーん、冷たい。
いつになく、エミの塩対応に磨きがかかっている。
……いや、うそだ。
毎日のように惚気まくるわたしの話を黙って聞いてくれるエミがとうとう爆発したのは、仕方ないのである。
というか、今日まで文句ひとつ言わなかった彼女は女神なのである。
さすがに、エミの表情に疲れが宿っているように見えた。
申し訳なく思うけれど、残念ながらわたしはまだまだ話し足りない。
「だって、日に日に恭平くんへの愛が増しすぎて困ってるんだもん……」