あくまくんが愛してやまない。
からっと晴れた、空気の暖かい朝。
わたしの気分も天気の同様にとても良く、脳内はお花畑と化している。
恭平くんとの恋人生活も違和感が薄れていき、完全に平和ボケしている毎日だ。
「好きな人と付き合えて幸せなみゆうの気持ちもわかるけどさ」
「ううっ、エミの優しさに泣きそうだよ……」
わたしの言葉に、はあっと大げさなため息をつくエミ。
もちろん呆れられている。
でも、こんなわたしをエミは一度も見捨てたことはない。
いつも後先考えないわたしの行動を見守り、注意してくれる大事な親友。
今日も、頰が緩みきっているわたしを、不安げに見つめるエミの心労は計り知れない。
「いや平穏すぎて、わたしは逆に怖いけどね」