あくまくんが愛してやまない。
「いや、ちがうちがう!俺が言いたいのは、……いったいなにがあったってことなんだって」
落ち着きを取り戻した彼は、そそくさとわたしのとなりの席に座った。
久しぶりに横に沢っちがいる感覚を味わいながら、ふと考える。
そういえば、恭平くんはなぜわたしを選んでくれたのだろうか。
彼は新しいおもちゃを見つけた気分だったのかもしれない、だなんて言っても、沢っちはぜったい納得しないと思う。
『みゆうちゃんは、いままで俺の周りにいなかったタイプだから』
この前そう言った恭平くんの言葉を思い返すけれど、本当にそんな簡単な理由で、わたしを彼女にしたのかな。
そうだとしたらかなり気分屋だよ……と、唸りそうになる。
なんにせよわたしは願ったり叶ったりなので、深くは考えず、とりあえず簡潔に沢っちに説明する。