あくまくんが愛してやまない。
「ふーん、そういうことね」
面白くなさそうに納得したかと思うと、彼はエミを見て問いかける。
「チャラチャラしてる男って、俺のことだよね?」
「阿久間以外にだれがいるの」
恭平くん相手でも怖気付かない平常運転のエミに、さすがだなあ……と感心しつつ。
ふたりしてわかり合っているように話を進めるものだから、少し嫉妬しちゃう。
エミの言葉に気にするふうもなく、恭平くんはわたしの後ろでうなずいた。
「いやたしかに。まあ俺も、こんなにハマってるの想定外なんだよな」
「せいぜい沢内に焦らされたらいいんじゃない?」
「そんな簡単に自分の彼女渡さないけど」
わたしの髪を撫でながら、恭平くんは言う。
優しい手つきに勝手にドキドキしてしまうけれど、表向きは平静を装う。