あくまくんが愛してやまない。
かなり生意気なことを言った自覚はある。
宇野先輩だけでなく、ほかの先輩たちの表情が険しくなったのは気のせいじゃないと思う。
だからといって前言撤回はしない。
だってそんなことしたら、負けを認めるのと同じだもん。
勝ち負けの問題ではないけれど、気持ちで押されてしまったら意味がない。
恭平くんへの想いは本当だから。
わたしだって、彼の彼女だというプライドがある。
「めっちゃムカつくんだけど。なんであくまくんは、こんな子を選んだわけ?」
「だから、遊びなんじゃん」
「そのうちポイっと捨てられるでしょ」
「あはは、かわいそう〜」
宇野先輩たちの言葉にはトゲが多い。
図星のように思えて、心に傷ができる。
でも、こんなことで泣いたらダメ。
そうしたら、この人たちの思い通りだもん。