あくまくんが愛してやまない。



「い、嫌です……っ」



グッと拳を握りしめ、思い切って声を張り上げる。

威勢良くしないと、きっと彼女たちには聞こえない。


自信ないとかいまは思わずに、自分の言いたいことをきちんと伝えなきゃ。




前を向いて否定の意を示したわたしを、宇野先輩は意外そうに眉根を寄せた。


きっと、これは怒ってる……。



綺麗なお顔が少し歪み、なにかを考えている様子だ。



沈黙の時間がつらくて緊張をおさえていると、宇野先輩がやっと口を開いた。



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