あくまくんが愛してやまない。
彼女が空き教室から連れてきたのは、3人の男の人たち。
それも、みんな金髪で、いかにも不良という雰囲気を纏っている。
そのうちのひとりが、わたしを捉えてすぐに口を開いた。
「え、2年生? やば、初々しくて可愛い〜」
わたしのことを品定めするようにじっとり見つめられ、思わず寒気がした。
……どうしよう、これは本当にまずい状況かもしれない。
ここに来る前に、エミに連絡しておけばよかったと後悔する。
エミは今日の放課後は図書委員の当番に当たっているから、まだ校内にはいるはずだ。
でもここは旧校舎。
クラスの教室や図書室がある棟とは、少し離れているところにある。
いまさら助けを呼ぼうにも、どうしようもない。
しかも人通りが極端に少ないから、偶然生徒が通りかかる可能性もとても低い。
絶望的な状況を把握し、思わず身震いする。