あくまくんが愛してやまない。
「この子、あくまくんの彼女だからひどくやっちゃってね」
「うお、マジか。あの阿久間の女となれば背徳感あるわ〜」
「じゃあね、頼んだよ」
最後にわたしをチラリと見た宇野先輩。
勝ち誇ったような表情をしていて、……なんだか悔しくて泣きそうだった。
なんでわたしは、こんなにみじめなんだろう。
自分で戦うことができないなんて、情けない。
こんなところを見られたら、……恭平くんに愛想つかされちゃうよ。
「あくまくんを独り占めするあんたが悪いんだよ」
そう吐き捨てると、涙目になっているわたしをふっと鼻で笑い、ほかの女の人たちを連れて旧校舎をあとにした。
そして残されたのは3人の男の先輩たちと、わたし。
追い込まれていて、じりじりと彼らと近づいて行っているのがわかる。