垂涎、午睡、うららかに【完】
丸くなってソファーですやすやと眠る姿は、実家で飼っている猫のように気ままで自由だ。
おまけによだれまで垂らしている。


なんともおもしろくて、興味深い人。


僕はそっとよだれを拭い、ブランケットをかけた。
起こしてしまわないだろうか、と考えたけれど、彼女は起きるどころか、うっとりと頬をゆるませてブランケットにくるまった。

この様子だと、またよだれを垂らすだろう。
それでも別に構わないけれど。

すぴすぴと聞こえてくるかすかな寝息。
ちょうどいいBGMかもしれない。


僕はパソコンを開き、講義の復習をはじめた。
うららかに眠る猫をときおり眺めながら。
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