ずっと、君だけを好きだった。
ずっと、君だけを好きだった。
「今年は本命が欲しいって言ったら、困るかな?」
ふたりきりの部屋に、自分の声が響く。
「え……ごめん、それってどういう意味……?」
君は戸惑いを隠せない様子で、少し声を震わせながら尋ねた。
「ひなのこと、好きだってこと」
「……え」
「ひなのこと、女の子として好きだよ」
驚く君の表情に、胸が苦しくなる。
やっぱりずっと、気付いていなかったのかもしれないけど。
ずっと、君だけを好きだった。
< 1 / 15 >