【完】シンアイ

「最悪」

テスト中に降り始めた雨は、止むことはなく勢いをまして降り続けていて

傘をさして帰る生徒の傍らで、スクールバッグを肩にかけて立ち尽くす

夕方から小雨が降り始めて本格的な大雨になるのは夜からと、朝の天気予報で言っていたから傘なんて持ってきていない

傘の群れの隙間を小走りで追い抜いて、近くの商店街のアーケード街へ向かう
家に帰るには少し遠回りになるけれど、この雨に濡れながら家に帰るよりはいい

昼前なのに既に大雨に等しいなか、数十M程しか走ってないのに制服は濡れて、髪も水分を含んでしっとりとしていて、制服が肌に張りつく

< 1 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop