【完】シンアイ
「ありがとう
手放したら、いなくなると思ったんだ・・・
母さんや、父さんみたいに雪のように溶けて俺の前からいなくなると思った
なんで雪は火を消してくれなかったんだろうな
俺から全てを奪っておいて、他人から綺麗だと褒められる」
雪が火を消してくれなかった・・・つまり火事?
「ねぇ、もっと俺を求めて
俺に縋って、俺が居ないと生きていけなくなるくらい、俺に溺れて?
それで、俺を・・・愛して・・・、」
泣きながら苦しそうな声で、俺に縋ってほしいと言いながら私に縋る
そんな絞り出された懇願に近い声を聞いて、私まで泣きそうになる