【完】シンアイ

ベッドの上に向かい合わせに座る結衣ちゃんから目を逸らして、下を向いてしまう

自分に自信がない

なんとなく、結衣ちゃんには知られたくなかった

せめて、好きな子の前ではかっこいい、頼れる男でありたかったのに・・・

あの日火事の日以来、一人では安眠できなくなったのも
オール電化のフローリングの家を探して契約したのも
あの日みたいなどんよりした雲と雨と雪が嫌いなのも
人肌が無いと上手く寝れなくなったのも
人に対して期待も希望も、なにも抱けなくなってしまったことも

人として大事な何かを、すべてあの燃えた家に置いてきてしまった


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