【完】シンアイ

新卒でキチンと面接を受けて内定をもらったはずなのに、本社ではなく西日本支部にあえて所属したのに、そこにすら自分の居場所がなかった

弱音を吐き出すこともできなくて、家に帰っても真っ暗なのが怖くて、一日中家の電気を付けて、明るい状態で誰もいない家に帰る

でも、家に帰ることすら怖くて、会社の仮眠室で寝泊まりしていた事もある

「俺、幻滅されないよう頑張るね」

「私も、信也さんが頼ってくれるイイ女になります」

「今のままで十分だよ

もう、十分イイ女だ」

名前を呼んでくれるだけで、近くに居るだけでこんなに幸せなんだ

これ以上何がいる?

しいて言うなら指輪、欲しいかも
俺たちをつなぎとめる形のある何か・・・が



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