【完】シンアイ
煙草がフィルターだけになるのと同じタイミングで、ピッピーという音が、聞こえる

「制服、渇いたみたいだね

着替えておいでよ」

一気に残りのレモンティーを飲んで、乾燥の終わった温かい制服を柊さんから受け取って、もう一度ベッドのある部屋に入る

着ていた服を脱いで温かい制服に腕を通して、自分が何をしたいのか必死に考えるが、分からない

退屈な当たり障りのない一日を毎日過ごして、食事をして、風呂に入って寝て、また学校に行く

そこに私の意志は無い

言われた通りに学校に行って言われた通り勉強して最低限こなす、もう何年もそんな感じだった

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