【完】シンアイ
拾参
朝信也さんを玄関で見送って、全ての家事が終わって仕事部屋でパソコンを触っていた時だった
自分のケータイが着信を知らせていて、お父さんからの電話な事に違和感を覚えて、電話に出ずに放置した
なのに間髪入れずにずっと鳴らされて、さすがにただ事じゃないかもしれない、と四回目にコール音が鳴った時に電話を取った
「信也くんが、倒れた」
そういった父親の声を聞いて、抑揚のない声に寒気を覚えて、ろくに内容を聞かず家を飛び出した