【完】シンアイ
封の空いた水を渡されて、乾いた喉に一気に流し込む
何度も深呼吸をして、息を整える
肩から力が抜けずに、姿を見るのが怖くて仕方がない
ある程度落ち着いてから父さんに別の部屋に連れていかれる
オフィスの受付の斜め奥にあった使用中と書かれた白い扉を開けて入れば
ソファーの上でぐったり横になってネクタイも外して、上着も脱いで皮靴を揃えて足元に脱いでいて、ソファーの上で瞼を閉じて白い蛍光灯の下で青白い顔をして眠る彼の姿
「信也くん、具合はまだ悪そうかい?」
「ええ、薬は吐き出して水を飲んだんですが・・・
申し訳ないです原さん
勤務中に迷惑かけてしまって」