【完】シンアイ

後悔しないように

それが信也さんに向けて言った言葉なのか、私に言った言葉なのか分からないけど
耳が赤くなって熱が集まるのが自分でも分かる

恥ずかしい

「結衣ちゃん無性に抱きしめたい、いい?」

目線を合わせずに頷けば、抱き上げられてソファーの上に座った信也さんの膝の上に乗せられる

ゆっくりと体に腕を回されて、抱きしめられる

信也さんの肩の上に顎を置いて目を閉じれば
微かに香るシャンプーの匂いと、柔軟剤の匂い

抱きしめる手が少し震えているような気がして、信也さんのカラダに腕をまわして力をいれる
痩せたせいか体に回した腕が余って、彼がどれだけ我慢して抱え込んでいたか知る


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