【完】シンアイ

「また傘無いの?」

「えっ?・・・あ、この間の・・・」

聞き覚えのある声、ふわりと揺れた前髪は若干左目を隠していて
前にあったときより少し長くなった髪は、相変わらず綺麗なミルクティー色だった

「傘、忘れちゃった?急ぎじゃないならうちで雨宿りしていく?」

コンビニの袋と一緒に差し出してきたビニール傘に、静かにコクリと頷く

交差点を3カ所わたって、雨に濡れないようにひとつのビニール傘に2人並んで入って歩いて、2度目になる男の住む部屋に足を踏み入れた

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