【完】シンアイ
「おじゃま、します」

「はーい。ちょっと今汚いけど」

靴を脱いで部屋の奥に行けば、紙が床の上に落ちていたり、大量の書類と付箋が付いて閉じてあるファイルが何個かおいてあってローテーブルの上にもそれは積んである

確かにお世辞にも綺麗とは言えなかった

開いたままの襖の奥には、もうスーツケースは置いていなかった
多分、柊さんのスーツケースだったんだろう、そして彼はもうこの家には居ない

ファイルを集めて、整理する彼を手伝うわけにもいかず、立ちつくして見守る


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