【完】シンアイ
最近お父さんが引っ越して今は一緒に暮らしていると少し前に聞いたけど
確かお父さんの大学時代の後輩にあたる人だったらしい
エレベーターを降りて、一番奥の角部屋の玄関扉の前に立つ
いつぶりだろう、この家にくるのは
お父さんが玄関の鍵を開けて、ゆっくりと扉を開ける
パッと玄関の電気がついて、お父さんに促され中に入れば
廊下の奥から、パタパタとスリッパの音が聞こえて出てきた人物と目が会う
「おかえりなさい、結衣ちゃんも久しぶり」
「志乃舞さん、お久しぶりです」
スーツ姿でこちらに歩いてきた志乃舞さんはいつ見ても綺麗で、パンツスーツのよく似合う女性だった
私が同じスーツを着てもあんな風にはなれないだろう