【完】シンアイ
「志乃舞、言っただろう
信也君はこれくらいでは揺るがないまっすぐな男だよ、試すのはやめなさい」
重苦しい空気を裂くように
皿に乗ったケーキをお父さんが運んできて、目の前のローテーブルにフルーツタルトが置かれる
「椎葉から聞いていたより、結衣ちゃんに惚れこんでいるのはわかったよ」
「悪いね信也君」
「いえ、椎葉さんと同じ雰囲気は感じていたので僕は平気です
結衣ちゃんが、そうでもなさそうですが」
重ねていた手を離して、肩を抱き寄せるように腕を回して力をこめる
体重を信也さんに預けて、寄りかかるようにひっつく