【完】シンアイ
少しだけ微笑むように笑った志乃舞さんをみて、初めてこの人も笑うんだと知った
「志乃舞、紅茶もできてるから持ってきて欲しい」
「はい」
スッと立ち上がった志乃舞さんと入れ違いで、お父さんが私の前に目線を合わせるように座る
「悪気があったわけじゃない、ただ不安なんだ
彼女も過去に一度失敗して後悔している
10歳離れた相手と結婚するデメリットがわからないわけじゃない
あんな言い方になってしまったのは志乃舞が悪いが、彼女も僕も結衣の結婚を祝福しているよ」
「うん」
テーブルにティーセットが置かれたのを見て、お父さんが立ち上がる
「さあ食べようか」
「うん」