【完】シンアイ
信也さんだとずっと画面を見ながら出来るのに
信也さんとの差を勝手に悲観しながら、考えてもどうしようもない事にため息をついて水をもう一度のむ
「結衣ちゃん!」
叫び声に似た大声で信也さんが叫んでいて、足音と共にドアが勢いよく開く
「あ、ここにいた
呼んでも返事ないし、リビング居なかったから焦った」
下着を履いて上に半袖のシャツを着ているだけの格好で、ズボンもいつもは履いているはずなのに履いていない
髪の毛も濡れたままになっていて、いきなりしゃがみこんで「はぁ」と大きなため息をつく
「ごめんなさい、これだけ仕上げたくて」
「そういう真面目な所は好きだよ
でも、俺の寿命縮むから声だけは掛けてほしい
ほんと、結婚初日に逃げられたかと思った」