【完】シンアイ
拾玖
「おはよう」
朝、スマートフォンから鳴る7時のアラームで、いつも目を覚ます
目をあけずに、手探りでベッドボードの上に置いたはずの音の鳴る自分のスマートフォンを探す
昨夜充電コードを本体に繋いでベッドボードに置いて寝たはずなのに、探し物は指先をかすりもしない
「結衣ちゃん、おはよ」
まだ半分夢の中に居るような
ふわふわした眠そう声を出した信也さんが返事を返してくれる
うっすら目をあけて起き上がると、薄い毛布をカラダに巻き付けてミノムシみたいに顔だけ布団から出して目を閉じる姿が目に入る
「アラーム止めて、おきる」