【完】シンアイ
耳を冷やしもせずにニードルをさして穴を開けるのは、この時期だと当たり前のように起きていて、未遂が数え切れないほどで、さしてしまったのが2回
左の耳朶に2つと、軟骨に1つ
軟骨にさしたのは、途中で気がついて止めたけど、それでも1つ空いてしまっていて
ピアスは家にいる時だけつけていて本人は気に入ってるらしい
バッチリあいた耳の穴は、拡張することはなくとも数だけが増えていく一方で、止めても止まることは無い
ショッピングモールに入ると、ふわりと暖かい暖房の風に、冷えた顔と首が包まれる
コートのボタンを全て開けて、ポケットから手を出しても暖かくて、そのまま目的地に向けて足を進める