【完】シンアイ
辛い時も毎日のように付き添ってくれて、俺が気持ちがぐちゃぐちゃな時も何も言わずに傍に居てくれる
雨や雪のあの日に似た空模様の度に不安に襲われて、薬が効いてる間のことを覚えてない時だってざらにある
それでも飽きずに文句も言わずに居てくれる
家に帰れば、笑って俺の名前を呼んでくれる
こんな俺にも触れてくれる
それが一番嬉しかった
マンションの駐車場に車を止めた後、車を降りてポストの中身を確認してから、マンションの階段を駆け上がって、階段から一番遠い部屋の304の玄関ドアを開ける
「ただいま」
靴を脱いで廊下を歩いて、明かりのついたリビングのドアを開けると同時に、奥からふんわりとごはんの香りがする