【完】シンアイ
おたまで混ぜながら、少しスプーンで味見をすると、自分の知らないカレーの味が口に広がって、市販のルーより薄めの色で茶色だけれど、少し黄色に近い色をしている。

「柊のカレーの匂いがする」

男は耳につけていたイヤホンを外して、ふらりとキッチンまでやってきて、新しくスプーンを取って、カレーを少しだけ掬う

これ、柊さんの手作りか・・・

匂いだけで分かるということは、かなりの回数作ってもらって、食べているんだろう
カレーの匂いだけで、作ってくれたと分かるくらいに・・・

でも、これだけ独特な匂いだったらわかるか・・・

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