【完】シンアイ

うずくまる姿を見てただ事じゃないと思って駆け寄れば、結衣ちゃんが泣きじゃくっていて
和人もよく分かってないようで困惑していた

電話を1度切って結衣ちゃんと目線を合わせようとするが、会話が出来そうもない
ここで泣きじゃくっても何も出来ないし話を聞くことも出来ない

「店で休ませるよ

結衣ちゃん、ごめんね」

いつものように足の隙間に手を入れて、横抱きで抱き上げる

早足で店まで歩いて裏口からそっと中に入る

VIP席と呼ばれる個室で、外側からは中が見えないマジックミラー構造になっている部屋
営業始まって間もないし、使われることは少ないから、しばらくは大丈夫だろう

「和人、お水持ってくるよう言ってくれる?」

「分かった」


< 354 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop