【完】シンアイ
「ごめん、ほんとにごめん」
謝る以外の言葉が出てこなくて、いつも仕事で思ってもないことも流暢に喋っているのが、嘘みたいに言葉に詰まる
ちがうよって伝えたいのに、結衣ちゃんが言うことも事実で
でも、結婚しなくて良かったなんて今まで1度足りとも思ったことはないし
結衣ちゃんがいてくれることが唯一の俺の支えだというのに、それすらも上手く言葉にできなくて、涙だけが勝手に流れていて、言葉はまったく出てこない
「いいですよ、もう謝らなくても
終わりにしましょう・・・もう、無理です」
「本気で・・・言ってるの?」
「冗談に見えますか?じゃあ言い方を変えますね」