【完】シンアイ

いつかの結衣ちゃんとお父さんを見てるみたいだ

家族なのに言いたいことが言えない
我慢して苦しい思いをし続けて、限界を感じたんだろう

それから信也は家に着くまでなにも喋らなくて、静かに眠っていた

肩を貸して俺の家まで帰って、同じベッドで寝るのも可笑しい気がして
信也をベッドに寝かせて、俺はリビングのソファーに寝転がった

前までは当たり前のように横に寝ていたのに、結婚してからその当たり前が無くなって、信也との距離感を上手く掴めなかった

仕事の会話と、日常的な会話だけで簡潔した内容くらいしか話していない
だから自分の家に信也が要ることすら不思議な感覚

もし、このまま離婚したら信也はどうなるだろうか・・・

ホストに戻って、荒れた生活を送り続けるのか
そもそも、この状況で生き続けようと思うのか?あいつが?

絶対、無理だろう・・・

< 370 / 400 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop