【完】シンアイ
いつかの結衣ちゃんとお父さんを見てるみたいだ
家族なのに言いたいことが言えない
我慢して苦しい思いをし続けて、限界を感じたんだろう
それから信也は家に着くまでなにも喋らなくて、静かに眠っていた
肩を貸して俺の家まで帰って、同じベッドで寝るのも可笑しい気がして
信也をベッドに寝かせて、俺はリビングのソファーに寝転がった
前までは当たり前のように横に寝ていたのに、結婚してからその当たり前が無くなって、信也との距離感を上手く掴めなかった
仕事の会話と、日常的な会話だけで簡潔した内容くらいしか話していない
だから自分の家に信也が要ることすら不思議な感覚
もし、このまま離婚したら信也はどうなるだろうか・・・
ホストに戻って、荒れた生活を送り続けるのか
そもそも、この状況で生き続けようと思うのか?あいつが?
絶対、無理だろう・・・