【完】シンアイ
弐拾肆
出てくれるかな・・・
ホテルの扉の前
手には和人からもらった部屋番号の書かれた紙と、ポケットに入れていた結婚指輪
扉には2407と書かれていて、確かに結衣ちゃんが泊まっているホテルの部屋の前に今、俺は立ってる
ゆっくりインターホンのボタンを押して指を離す
目に見てわかるくらい指は震えていて、出てきてくれなかったらどうしようとか、追い返されたらとかいろんな考えが頭の中をよぎる
「はい」
「結衣ちゃん・・・あの、話しできないかな」
目の前のドアが小さく開いて、中から結衣ちゃんが姿を見せてくれて、何を言えばいいか分からなくて戸惑う