【完】シンアイ
肆
出会って5カ月がたった頃には週に2日と家に行く回数が増えて、次第に暇な時間さえあればこの家に訪れてご飯を食べたり勉強したり、暇をつぶしたりするようになった
宮脇さんは何も言わないし、平日は仕事で家にいない日が多いからと休日に行くことが多くなった
外は寒いうえに雨が冷たいし痛くて、雨宿りついでにご飯でも作ろうと、学校帰りに家に立ち寄った時、男は妙な雰囲気を漂わせていた
「ああ、結衣ちゃんか・・・
ごめんけど、今日は帰ってくれる?」
青白い顔で額に脂汗をにじませながら、口に煙草を咥えて、見慣れた薬の錠剤の入ったシートから薬を取り出している姿
その姿はどう見ても”普通”じゃなかった