【完】シンアイ

その姿を確認して、足元に落ちたグラスに手を付ける
既に小さなガラスの破片を踏んでいて、足元がうっすら赤くなっている

痛さに気づいていないのか、全く足元を気にすることは無いまま、蓋を閉めたペットボトルを私に押し付けて、自身はソファーになだれ込む

うずくまるようにして、両手でスマホをギリギリと握りしめて、荒い息で肩を上下させながら呼吸する姿を見ていられなくて
自分のスマートフォンから柊さんから貰った名称の写真を探して、載っていたケータイ番号に電話をかける
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