【完】シンアイ
『はい、お電話ありがとうございます
柊です』
「柊さん、中堂結衣です
以前宮脇さんの家でお会いした・・・
あの、宮脇さんが調子かなり悪そうなんですけど、どれぐらいで着きそうですか」
『ああ、結衣ちゃんだね
大丈夫わかるよ
電話ありがとうもう着くよ』
電話口の向こうから軽やかな金属音が聞こえた後、玄関の鍵が開く音が聞こえて、玄関口に目線を向ける
「信也」と名前を呼ぶ電話越しの声と、目の前の男の人が発する声が重なる
ああ、こんなに急いでくるほど、柊さんにとってこの人は大切な存在なんだ