【完】シンアイ
空には分厚く重い雲がかかっていて、雨はやむことなくずっと降り続いていて、どんよりした空気が漂っている
「ごめん、お待たせ」
ジーンズに黒のニット生地の服を着て、上着とクラッチバックを持っていて、スーツを着た時とは違う印象で少し驚く
スーツの印象が鮮明に残るせいか、驚きを隠せない
こう見ると、若く見る
「いこうか」
ソファーから立ち上がって、先に玄関に歩いていく柊さんの後を追う
マンションの駐車場に止められた車の後部座席に乗れば、ゆっくりと車は走り出した